ドラマ「大草原の小さな家」は、インガルス一家が大きな森の家から、
西部のカンザスに向けて馬車で出発するところから始まります。
西部に移り住むため、家や土地や家畜を売り、
全ての荷物を馬車に積み込んでの旅立ちです。
もう二度と会えないかもしれないおじいちゃんやおばあちゃん、
親戚の人たちと別れの挨拶をして、いよいよ出発。
父さんは馬車の運転席に、末っ子のキャリーを抱いた母さんは、父さんの隣に、
そしてローラと姉のメアリーは、馬車の荷台に乗り込みます。
雪深く寒い日の出発です。
寒くないようにキャリーを頭から包んでいるのも、ローラたちが膝にかけているのも、
パッチワークのアメリカンキルトです。
一家を乗せた馬車は走り出しました。
馬車から外を眺めながら、ローラは思います。
ローラ:
Mary was afraid to go.
But I mean nothing that could happen as long as we have Pa and Jack.字幕:
メアリー姉さんは不安そう
でも私は平気です
ジャックもいるからローラ:
Jack is my best and truest friend.
And Pa said there has never been better watch dog.字幕:
ジャックは私の親友で
とても優秀な番犬なのです
字幕では「ジャックもいるから」になっていますが、
実際は「父さんとジャックがいるから」と言っているのですね。
何日も馬車を走らせ、犬のジャックは馬車の後ろをついて行きます。
そして、馬車は流れの速い河を渡ります。
不安そうな子どもたちに、父さんと母さんが「馬車の中に入ってなさい! Get inside ! 」
と叫んだり、父さんが手綱を引くために河に入って、溺れそうになったり、
原作でも有名で、印象的なシーンです。
しかし、必死で河を渡る中で、犬のジャックがいなくなってしまいます。
父さんがあちこちを捜してくれましたが、見つからず、
ローラは大きなショックを受けました。
ジャックを諦めて、旅を続けたインガルス一家ですが、
ある夜、なんと、泥だらけになったジャックが帰ってきたのです!
母さん:
We’ve come so far.
How does he find us.字幕:
どうしてここだと?
(訳:遠くまで来たのに、どうやって私たちを見つけることができたの?)父さん:
Instinct and love.字幕:
本能と愛の力のおかげさ
ジャックをしっかりと抱きしめながら、父さんは言いました。
父さん:
We thank you, Lord, for bringing our dear and good friend back to us.字幕:
本当に無事でよかった
(訳:主よ、大切な友を私たちのもとに帰してくれて感謝します)
神様に対する父さんの祈りなのですね。
ジャックが戻ってきた夜、ローラはひとりで父さんのところに行きました。
父さんがジャックを見捨てたのかと誤解していた、と謝ります。
自分が間違っていたと思ったとき、相手のところに話に行くというシーンが、
このドラマではよく出てきます。
お互いの気持ちを本音で話した後、父さんはローラを抱きしめました。
そして、何かに気付いた様子でローラに言います。
父さん:
Hey.
Do you hear that?字幕:
ほら 聞こえる?ローラ:
Hear what, Pa?字幕:
何が?父さん:
Stars.
Singing Hallelujah.字幕:
星の声だよ
歌を歌ってる
(訳:ハレルヤを歌ってる)
父さんとローラは、寄り添って空を見上げました。
ハレルヤとは、「主をほめたたえよ」という意味の言葉です。
父さんとローラは、空の星を見ているのと同時に、
神様を見上げているのだと、私は思いました。
旅の間、インガルス一家は野営をして、食事も外で食べます。
野原で火を焚き、朝食を作った母さんが皆を呼びました。
明るい太陽の下、家族そろっての食事です。
朝食をとりながら、ローラとメアリーが言い争いをしました。
父さん:
The Bible says thou shall not argue before breakfast.字幕:
聖書に食事の時は争うなと母さん:
That’s not in the Bible, Charles.字幕:
書いてないわ父さん:
Well, it ought to be.字幕:
書いとくべきだ
食事中、ローラが指をペロリとなめました。
それを見た母さんは、厳しく言います。
母さん:
There’s no need to forget your manners.
Just because we’re hundreds of miles from civilized folks.字幕:
お行儀が悪いわ
マナーを忘れないで
人が見ていても、見ていなくても、きちんとする。
母さんは子どもたちにそれを身に付けさせようとしているように思います。
優しさと厳しさをもって、大切な子どもを育てている母さんです。
長い旅の末、良い土地が見つかり、インガルス一家はそこに住むことを決意しました。
そして、近所に住んでいる髭もじゃで陽気なエドワーズさんと出会い、
父さんと母さんとエドワーズさんは、力を合わせて小さな家を建てます。
渾身の力を込めて、汗だくで働き、たった3人で家を建ててしまうのですから、
開拓者ってすごいですね。
一番近くに住んでいるエドワーズさんの家さえ、馬で行く距離です。
周りには学校も教会もありません。
そんな場所で生活をするため、母さんは子どもの教育のことが心配になりました。
母さん:
I don’t see how the girls can grow up properly without going to church.字幕:
教会に行かないことで どう育つかが心配なの父さん:
I don’t see how they can get closer to God than they are right here.字幕:
ここはどこより 神に近い場所だ父さん:
So stop worrying.
It’s going to be fine.字幕:
心配するのはやめよう うまくいくさ
新しい場所での生活が始まりましたが、父さんがオオカミに襲われそうになったり、
先住民が家にやってきたり、いろいろあります。
この第1話のみどころのひとつが、先住民との出会いと交流だと思います。
先住民をnative American ではなく、Indian と呼んでいるのにも時代を感じますね。
父さんは、「政府が移住させるから、先住民はこの土地からいなくなる」と言いますが、
ローラはそれを疑問に感じます。
ローラ:
It’s not fair. They were here first.字幕:
彼らの方が先に住んでたのに
先住民が追い出されることに納得がいかないローラでした。
先住民への偏見や、白人狩りもある時代ですから、インガルス家と先住民との間には、
様々なことが起こります。
しかし、ラストには驚きの結末が待っています。
また、この土地で過ごすクリスマスに、吹雪の中をエドワーズさんが来てくれるシーンも、
とても温かく、印象的です。
インガルス一家は力を合わせて農作物を育てながら暮らしますが、ある日、政府から通達がきます。
なんと、彼らが住んでいる場所は居住禁止区域であるため、立ち退かなければならないそうです。
深い憤りを感じるインガルス一家でしたが、エドワーズさんと涙の別れをして、
再び馬車で旅立つのでした。
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このブログでは、NHKテレビで放送されていたドラマ「大草原の小さな家」を用いて、
英語表現を紹介します。
発売されているDVDには、英語字幕がついていません。
そのため、ドラマを見ながら台詞を書き取りました。
私の英語力では、全てを聞き取ることができないため、
アメリカ人の友人に確認してもらっています。
しかしながら、音が不明瞭なところは、
英語ネイティブでも聞き取りにくい場合がありますので、
このブログに記載している台詞は、
完全なものではないことをご了承ください。
日本語の台詞は、DVDの字幕を引用しています。
台詞の引用と共に、ドラマのあらすじも記載していますが、
ブログを読んだ後にドラマを見ても楽しめるよう、
できるだけクライマックス部分には触れずに
書いていこうと思います。
また、「大草原の小さな家」の原作の本や、
関連した作品も読んでいきたいと思っています。
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1970年代生まれの私は、子どもの頃に、
「大草原の小さな家」の再放送をテレビで見て育ちました。
毎回の放送を、いつも心待ちにしていました。
そのように慣れ親しんだドラマですが、
英語の台詞の聞き取りをしてみようと思い立ったのは、
この第1話のDVDを見たのがきっかけでした。
何度も見たストーリーなので、かなりくつろいで見ていたのですが、
いなくなったジャックが戻ってきた場面で気づきました。
字幕は「本当に無事でよかった」になってるけど、
今、「thank you, Lord」って言ったよね、父さん!?
Lordって、神様のことよね!?
この台詞と字幕の違いに気づいた私は、
できるだけ英語の台詞を拾ってみようと思いました。
インガルス一家はキリスト教徒なので、
クリスチャンの英語表現も結構あるなと感じました。
プロテスタントのクリスチャンである私が、
大好きなドラマを用いて、キリスト教の英語表現を学ぶのは、
とても楽しい作業です。
(英語の書き取りは難しいですが…)
ゆっくりではありますが、今後、1話ずつ
ブログを更新していこうと思っています。